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イチロー物語

イチロー物語

チローは南海線樽井駅の近くで住んでいた「のら」でした。非常に人なつっこく近くに行くといつも寄って来てじっとしていました。そんな「のら」をかわいそうに思い私の家内は駅に行く度に「かりかり」の CAT FOOD を与えていました。時にはつっぱりの学生の足の下で寝そべっていたり,お年寄りにえさをもらっていたりしました。

左足

左足の足関節から下が一部なくなっていてびっこをひいていたのですが結構みんなに可愛がってもらっていました。



 一昨 年の10月,私が出先きから帰って来て樽井駅に降りると迎えに来ていた家内の様子が何か変なのです。よく聞くとあの「のら」が大けがをしていて何か変だと云うのです。見ると首のあたりが広くしかも深くえぐられた様な怪我をしていました。ネコどうしの喧嘩でやられたのか,それとも...。とりあえず応急処置をしてもらって抗生物質を飲ませ,その晩は私の家に預かりました。 ほっとしたのか傷のために具合が悪いのかで食欲もなくあまり動きませんでした。しかし、ひょっとして出て行ったらもう帰ってこないことを心配して扉を閉めたままにしていましたからやはりかなりの臭いがしました。長い間の「のら」の生活のためと傷のためでしょう。

 の日、時間の来るのを待ちかねて動物病院に連れていくと、入院、検査、手術が必要と云うことでした。傷も深いのでなおるかど
うか分からないということでした。
動物病院の先生の話ではイチローは素直でやりやすいということでした。

   

ばらく入院をしている間に傷も順調に回復してきたもののやはり皮膚移植をしなければならないということになりました。体力の問題でうまく持ちこたえられるのか心配しましたがそれも克服しいよいよ退院になりました。初めは無事治ればまたもといた樽井駅周辺に戻す心積もりでいました。
 左足は足関節から下を失っています。そのため,びっこはひいていますが,現在は非常に活発です。         

 退院して家に戻って来たときイチローは傷をなめたり、足で掻くのを防ぐため首のところにネッカーというものをつけていました。私らはそれを「エリザベス」と呼んでいました。娘の一室をすみかにあてがい、トイレとふとんをおきました。食事の時「エリザベス」ははずしましたが病院の先生が一日中つけておくようにとの指示でそうしましたが、食事の時それがひっかかって非常に食べにくく特に水を飲む時は苦労していました。それでもえらいもので慣れてきたら何とかそれもできるようになりました。私もネコの首の器具ははじめてでしたがお客さんが見えるときはびっくりしないように初めから説明をするようにしていました。その後「ベートーベン」の映画の中で動物病院の犬がそれをやっているのを見つけて今まで見過ごしていた場面にこんなのがあったのだなとびっくりしてしまいました。

エリザベス
チローは「エリザベス」をつけた生活にすっかり慣れて体力の回復とともに行動が活発となり、私達の後ろを付いて回る毎に足にこつこつ当たって痛い思いをしました。傷の回復は予想外に早く時折「エリザベス」をはずしてやりましたがどうしても我慢出来ずに傷のところを足で掻いたりなめたりするものでまた元通りにもどしたりを何度も繰り返しました。傷口の所の毛はなかなか生えてこず「エリザベス」はこのまま一生つけたままになるのではないかと心配をしたりしました。このような状態ではとてももとのすみかに戻すのは無理と考えうちで飼うことにしました。そうすると名前がいります。

顔が大きいので漫才師の「のりお」にちなんで「のりお」にしようかという案も出ましたが、何といっても当時の人気ナンバーワンはオリックスのイチローでした。そこで早く元気になるようにとの願いから
     「イチロー」 と命名したのでした。

発情期を迎え一晩中ないて私たちが寝られなくなることが多くなり、止むなく去勢手術を行うことにしました。
 秋は過ぎて冬を迎える頃になるとけがの所にも少し毛が生えてきました。しかしエリザベスをはずすと傷を引っ掻きなめてしまいますのでまた着けるということを何度も 繰り返しました。 時には着けたままコタツの中に入ってきてびくびくしたこともありました。

 春を迎えるようになって傷の回復も順調で少し位掻いても肌が出てこなくなりました。ようやくエリザベスをはずすことができたのが5月です。元々の体力のお陰でしょう。現在ほとんどもとのネコにもどりました。おとなしかったあの頃はうそのようで今は走り回っています。最近では電子レンジの扉を器用に開けて中のものを取ったりするいたずらも覚えました。
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樽井の駅にいた頃かわいがっていた人たちはあのネコはもういなくなったと思っていることでしょう。そう思っても不思議でない位の傷でしたから。でも安心してください。私のところで健康に生活していますから。まだ外には出せませんので家に閉じこめていますが、何時の日にかは庭までには出そうと思っています。





「イチロー物語」は 猫吉犬吉 2001年秋号   に掲載されました。

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すっかり元気になったイチロー

    

   

 貪欲なまでの食欲旺盛。 
 一度食べてもあきたらず
 再度のおねだり。

イチロー物語」の要旨はのこの度日本捨猫防止会の雑誌に掲載されました。

           ICHIRO STORY(ENGLISH)

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